コラム

2021.09.25

毛虫皮膚炎

最近ちらほら毛虫による皮膚炎の患者さんが受診されます。5月ころだけでなく、9・10月もチャドクガのシーズンなので、屋外での活動の際は注意が必要です。

「毒針毛型」と「毒棘型」の2つのタイプ

毒針毛型は、毛虫のからだを覆っているたくさんの毛に毒があり、症状はかゆくて赤いブツブツがたくさん出るのが特徴です。毒針毛を持つ毛虫の代表はドクガの仲間で、チャドクガ、ドクガなどです。
毒棘型は、毛虫のからだの表面に鋭いトゲがあり、症状はそのトゲが刺さったところに強い痛みを感じるのが特徴です。毒棘を持つ毛虫の代表はイラガの仲間のイラガ、アオイラガ、ヒロヘリアオイラガなどです毛虫は種によって決まった植物の葉っぱをエサにする習性があります。

チャドクガ

チャドクガはツバキ、サザンカなどの庭木の葉をエサにしています。特にツバキやサガンカは公園やマンションの庭に植えられていることが多く、身近な毛虫皮膚炎は、チャドクガが原因であることが多いとされています。

チャドクガは、関東地方では5月と9月の年に2回、卵からかえって毛虫になります。1匹の毛虫には約50万本もの微細な毒針毛があり、また、毛虫本体だけでなく、幼虫が脱皮した皮や、サナギ、成虫(ガ)、卵も毒針毛がついています。

洋服で覆われていない場所に出ることが多いですが、毛虫が洋服の中に入ってしまったり、洗濯物についていた場合は、衣類で覆われている場所にも発疹が出ます。
刺された時の症状はほとんどなく、数時間してからブツブツと激しいかゆみ症状がでてくるのでやっかいです。

対処方法と治療

明らかに毛虫に触れてしまったと気が付いた際は、まず、ガムテープやセロテープでペタペタと毒針毛を取って、流水で長めに洗い流してください。手でこすったりすると逆効果になります。
かゆい発疹が出てきてしまった場合でも、ステロイド軟膏の塗り薬で治療を行えば1週間程度で改善しますので、皮膚科を受診してください。

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