コラム

2021.12.01

ニキビ跡(痕)

ニキビの赤みや凸凹がなかなか消えない・・・というご相談を受けることが多いです。

ニキビ跡は、ニキビによって肌にダメージが起こり、跡として残ってしまった状態です。
炎症が起きたニキビは、少なからず何かしらのニキビ跡を伴います。炎症が軽い場合は、ほとんどわからないくらいに治っていきますが、炎症が強い場合は、皮膚の奥までダメージが及ぶので、しぶといニキビ跡として残ってしまうのです。

ニキビ跡を残さないためには、炎症を起こす前にニキビを治し、炎症が起こったとしてもなるべく初期の段階で炎症を鎮めることが大切です。また、ニキビをむやみに触って余計な刺激を与えたり、指で無理にニキビを潰すとニキビ跡になりやすくなってしまいます。

一度できたニキビ跡を消すことは、簡単ではありません。ニキビ跡を残さないための近道は、ニキビ跡を作らないよう、適切なニキビケアを行うことが大切です。

早めに皮膚科専門医に相談し、適切なニキビケアを行いましょう。また、良い状態を維持するためにも継続して受診することをお勧めします。

できてしまったニキビ跡については、種類ごとに対策があります。

ニキビ跡の種類

赤み

炎症後紅斑とも言い、最も多くみられます。ニキビの炎症が治まり、肌は平らになっていても赤みだけ残っている状態です。ニキビの炎症によって、毛細血管が増えたり、拡がったりして目立っているのです。
軽度であれば肌のターンオーバーによって徐々に薄れて、時間とともに消えていきます。

お勧めアイテム

●TPNaローションMD (plusrestore®)
TPNa®は優れた肌荒れ防止効果があり、活性酸素の除去や、保湿効果、水分保持機能、抗炎症効果などがあります。

●VCローション
抗炎症効果があり、赤みの後の炎症後色素沈着を防ぐ効果もあります。

お勧め施術

ピーリングエレクトロポレーション
ピーリングでターンオーバー促進し、エレクトロポレーションでビタミンCとトラネキサム酸を導入することで、炎症を抑えます。

MAXG(IPL)
シミ治療に用いる光治療器ですが、赤色にもよく反応するので、赤み改善効果があります。

色素沈着

くすんで茶色っぽくなっている状態です。炎症で肌がダメージを受けると、メラノサイトが活性化して、たくさんのメラニンが作られるためです。ニキビに限らず湿疹ややけどなどの後にメラニン色素が沈着することも「炎症後色素沈着」といいます。

ニキビ跡の赤みと同様に、通常は肌のターンオーバーと共に半年~数年くらいかけて徐々に薄くなっていきますが、炎症によるダメージの度合いによっては色みが消えず、長く残ってしまう場合もあります。 

お勧めアイテム

●VCローション
抗炎症効果があり、赤みの後の炎症後色素沈着を防ぐ効果もあります。

●TAホワイトクリームMD (plusrestore®)
トラネキサム酸などが配合されたクリームです。メラニンの生成を抑えます。

●ハイドロキノン
メラニン生成を抑制します。

お勧め施術

ピーリングエレクトロポレーション
ピーリングでターンオーバー促進し、蓄積した色素の排出を促します。エレクトロポレーションでビタミンCとトラネキサム酸を導入します。ビタミンCとトラネキサムさんには、メラニン生成抑制と抗炎症作用があります。

凹み・クレーター

凹みやクレーターは、ニキビの炎症が皮膚の少し深いところまで及び、組織が破壊されてしまうことで発生します。毛穴の開きと思っていても、ミニスカーと呼ばれる小さなニキビ跡の場合もあります。

凹みやクレーターになってしまったニキビ跡は、自然には治りません。保険外治療になりますが、時間をかけて治療を行い、目立たなくしていきます。 

お勧めの施術

ダーマペン

●フラクショナル

しこり・瘢痕・ケロイド

硬いしこりができてしまうこともあります。皮膚が傷を修復しようする作用が働きすぎて、コラーゲンを過剰に生成してしまうのです。また、まれにニキビ跡が赤く盛り上がって拡がったケロイドが発生する場合もあります。

原因は明らかではありませんが、体質による要素が影響していると考えられています。下顎や胸部、肩、肩甲骨あたりにできやすいです。

日常生活で気を付けたいこと

紫外線対策

紫外線は、色素沈着の元となるメラニン色素の生成を促すだけでなく、ニキビを悪化させ、ニキビ跡の発生を高めてしまいます。
ただし、日焼け止めを選ぶ際は、ニキビ自体を悪化させないよう、ノンコメドジェニック製品や石鹼で落とせるタイプなどがおすすめです。

スキンケア

乾燥は、肌のバリア機能を低下させ、ターンオーバーの乱れも引き起こします。油分を敬遠される方もいますが、適度な油分もなくてはならない成分です。一方、保湿をしっかりしようとして、毛穴詰まりを起こしてしまう製品を使用しないように注意が必要です。
保湿剤を選ぶ際は、ノンコメドジェニックで保湿がしっかりできるものがおすすめです。ノンコメドジェニック製品であれば、ニキビができにくいことが確認されています。

触らない

肌表面への摩擦や刺激は、炎症や色素沈着を悪化させてしまいます。
ニキビが気になると、手で触ったり引っ掻いたりしてしまいがちですが、状態の悪化につながりますので、注意しましょう。
荒いスクラブでゴシゴシ洗ったり、洗顔後に顔をゴシゴシ拭くことも、お肌の刺激になってしまいます。

十分な睡眠とバランスの良い食事

睡眠は成長ホルモンが分泌され、美肌に欠かせません。

炎症が起きているときや回復期は、栄養素の消費量が増えて、相対的に不足してしまうことがあります。内服やサプリメントで補うこともあります。しかし、栄養素は単独よりも、複数の成分が共同して作用していますので、バランスよくいろいろな食品をとることが大切です。

禁煙

タバコの成分は、体内のビタミンを破壊、消費したり、新陳代謝を低下させます。今からでも遅くないので、禁煙を始めてみましょう。

まずは皮膚科にご相談ください

当院でもニキビ、ニキビ跡の診療を行っております。これまでニキビ跡のお悩みをお持ちだった方は、お気軽にご相談ください。

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