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毛・毛周期について
頭の毛は約10万本あります。毛の太さは、小児では細い毛が多く、思春期から太くなり、青年以後、歳をとるに従って細く短い毛の割合が多くなります。ただし、同じ年齢でも個人差や人種差があります。これらの差は主に遺伝によるものです。
毛の根っこの深いところを毛包といいます。毛包の深部の毛母細胞が細胞分裂して毛の細胞が生まれます。毛を伸ばしている毛包は、頭皮の皮下脂肪の深さにまで達しています。それらの細胞が、皮膚表面の毛穴から出てくるまでに、硬く丈夫な毛に変化します。毛の伸びる速度は、正常では1日約0.4mmです。
毛髪の1本1本には寿命があるので、一定期間伸びると成長が止まります。毛周期と呼ばれる一定の周期をもって発育し生え変わっていく、成長期→退行期→休止期の順を繰り返しています。頭髪の場合は、成長期が2~6年で、頭髪の約85%を占めます。退行期が2~3週間で、約1~2%です。皮膚の中では、毛母のほとんどが消失して毛包は浅くなり、毛は抜けやすい状態になっていきます。毛母の細胞分裂が完全に停止した期間を休止期といい、数か月つづきます。頭髪の約15%です。浅くなった毛包の下に新しい毛母の芽が出て、毛包が再生して、再び新しい毛が作られます。新しい毛に押されて、休止期にあった毛が脱落していきます。
毛周期は個々の毛包で別々に営まれていますので、1日におおよそ100本が抜けます。一方で、約100本が再生して、ほぼ一定の毛の数が保たれています。頭髪は、健康な状態でも、いつもこの程度の数が抜け落ちていることや、中年~老年となるにつれて細い毛に置き換わり、全体として髪が薄くなっていきます。