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金属アレルギー

金属アレルギーというと、アクセサリーのかぶれを連想されるかたが多いと思いますが、そのほかに全身型金属アレルギーというものもあります。

金属接触アレルギー

金属を含有する装飾品などが直接接触して皮膚炎を生じます

アクセサリー、コイン、時計、革製品、セメント、ステンレス、塗料などに触れた部分に症状がでます。

金属の種類によってアレルギーの起こりやすさが違います。チタンは最もアレルギーは起こりにくく、ついで白金(プラチナ)や金です。金は純金(24K)で使用されることは少なく、18Kは、75%金のほかに、銀、銅、パラジウム、ニッケルが使用されていて、それによってアレルギーを起こすことがあります。金属アレルギーの原因金属の多くはニッケル、クロム、コバルトです。

身の周りにある金属は人によって異なると思いますが、ヘアピン、下着の金具、ベルトのバックル、腕時計、ハサミ、調理器具などにはニッケルが含まれている可能性が高いです。
また化粧品、ピアス、ネックレス、指輪にはニッケルとコバルト、革靴にはクロムが含まれている可能性が高いです。

全身型金属アレルギー(全身性接触皮膚炎)

食品中や歯科金属に含まれる金属が吸収されて、直接触れていない部分にも皮膚炎を生じます。

皮膚の症状は、汗疱状湿疹、掌蹠膿疱症、扁平苔癬、貨幣状湿疹、痒疹、紅皮症など様々です。

食品中では、ニッケル、クロム、コバルトなどがチョコレート、ココア、豆類、香辛料、貝類、胚芽などに多く含まれます。
歯科金属は、パラジウム、金、錫などを含有することが多く、時にニッケル、クロム、コバルトなども含みます。

経口摂取された金属は、大半が便として排出されますが、1~10%が腸管から吸収されます。吸収された金属は、汗、乳汁、尿となって排泄されます。汗に含まれる金属が皮膚症状を引き起こしていることがあります。

体内に吸収される金属の関与か疑われる場合の対処方法

・該当する金属含有製品との接触を避ける

・該当する金属を含む、歯科金属の除去

・該当する金属を多く含む食品の、摂取量を抑える

 など

検査:パッチテスト (保険診療)

背部や上腕に、金属の検査薬を貼付することにより、アレルギー反応を起こすかどうかを調べることができます。健康保険が利用できます。

全身型金属アレルギーの場合も、パッチテストが参考になります。(パッチテストで判明しないこともあります。)

パッチテストで調べられる金属の種類と原因物質の例

①アルミニウム

歯科用セメント、化粧品、香料、医薬品、歯磨き、絵具、インク、クレヨン、顔料、塗料、染料、皮なめし、ガラス、エナメル、陶磁器、セメント混合剤、ベーキングパウダー、写真、メッキ、灯油、軽油、食品容器、長期保存飲料容器の内壁、錠剤パッケージ、保温容器、電子機器内壁の電磁保護、タバコなどの防湿用包装材、撥水剤など

②コバルト

粘土、セメント、合金、塗料(エナメル、ラッカー)、染着色(青色系)、電気、メッキ、医薬品、蓄電池、飼料、乾湿剤、乾燥剤、陶器のうわぐすり、顔料、絵具、インク

③スズ

歯科金属、はんだ、青銅、合金、医薬品、顔料、感光紙、缶製品、衣類、殺菌剤、印刷インク、メッキ、製陶

④鉄

化粧品、医薬品、消毒剤、塗料、印刷インク、絵具、クレヨン、皮なめし、製革、写真、合成樹脂、建材(セメント瓦、建材の着色顔料)、製紙、陶磁器、ゴム、さび止め、製陶

⑤白金

歯科用剤、貴金属装飾品、メッキ

⑥パラジウム

歯科用剤、メガネフレーム、腕時計、ホワイトゴールド、電子電気材料

⑦インジウム

歯科用剤、万年筆のペン先、半導体、ハンダ、銀ロウ、防食アルミニウム

⑧イリジウム

歯科用剤

⑨クロム

メッキ、ステンレス、黄色顔料・染料、毛染めの酸化剤、マッチの頭薬、皮革、セメント、花火、セメント、防腐剤、塗料(ペンキ、ニス)、皮なめし

⑩ニッケル

硬貨、種々の合金製品(バックル、ガーター、腕時計、イヤリング、ネックレス、ビューラーなど〉、セメント、電池、磁石、触媒、塗料(ペンキ、ニス)

⑪金

歯科用剤、貴金属

⑫銅

硬貨、メッキ、顔料、アクリル合成繊維、楽器、硬貨、真鍮、農薬、皮革、皮なめし、木材防腐剤

⑬マンガン

歯科用剤、特殊合金、ステンレス、医薬品、肥料、塗料、染料、ほうろう、織物、マッチ

⑭銀

歯科金属、装身具、メッキ、貨幣、装飾品、 鏡、医薬品、食器、写真感光剤

⑮亜鉛

歯科用セメント、化粧品、医薬品(亜鉛華軟膏など)、医薬部外品(脱臭剤、アストリンゼン、脱水剤)、印刷インク、絵具、顔料、さび止め顔料、陶磁器うわぐすり、ガラス、アクリル系合成繊維、革製品の防腐剤など

検査の注意点

・貼布から2日間は、入浴、スポーツ、発汗の多い労働は控えるようにします。貼ってあるシートが、濡れてしまったり、ずれてしまうと、検査が正確に行えません。
・抗アレルギー薬を内服中は反応が弱まってしまう可能性があるので、1週間前から休薬をしてください。
・貼布してから2日後にパッチテストシートを除去し、貼付していたことに伴う刺激反応が消退する約30分後に1回目の判定を実施ます。
・貼付から3日目、1週間後にも判定を行います。遅れて反応が出ることもありますので、重要です。
・パッチテストにより、色が黒くなったり白くなったり、傷あとが盛り上がることがあります。検査を実施する際には、このようなパッチテストの危険性があります。

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